2016 June
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日本銀行本店本館の見学に伺う。知人の建築家のご案内で拝見するのでマニアッ クな説明も興味深い。明治29年(1896年)に東京駅丸の内駅舎を設計で知られる辰野金吾の設計によ り竣 工、ベルギーの国立銀行を模範に設計されたそうで、柱やドームなどのバロック 様式に規則正しく並ぶ窓などのルネッサンス様式をとり入れた「ネ オ・バロッ ク建築」。秩序と威厳が表現されているとは正に・・・。 |
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明治24年(1891年)の濃尾地震の教訓から、当時の日銀総裁であった高橋 是清の指示で、建物上部を軽量化し耐震性を高めることになり2階、3 階は石 造りではなく煉瓦造石貼りに変更されたとか。 現在はさらにこの建物全体の免震化が進んでいるよう。1974年に国の重要文 化財に指定され、東京の建築遺産50選に指定されている。 |
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サントリー美術館に「原安三郎コレクション 広重ビビッド展」を見に行く。日 本化薬会長であった原氏と交流の深かった祖父を偲ぶような気持ちで拝 見する プライベートコレクション。歌川広重の晩年の名作「名所江戸百景」と「六十余 州名所図会」を中心に、葛飾北斎や歌川国芳などの風景版画な ど、原氏の没発 見されたコレクションの中から約230点と言う膨大な数が並ぶ。展示は4章で 構成され、「六十余州名所図会の70点、最初に摺った 「初摺」の中でも初期 のもので、広重自身が摺師と一体となって制作された貴重な作品で今回が初公開。 |
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第2章は「名所江戸百景」の120点、第3章では葛飾北斎の「千絵の海」10 点、第4章では広重の「東海道五十三次之内」などが展示されている。 各章と も貴重なコレクションばかりで大変なヴォリュームと見ごたえ。六本木に江戸が 再現されたような不思議な気持ちになる。 |
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小笠原伯爵邸にランチに伺った後、支配人の方に建築をご案内頂く。昭和2年 (1927年)当時の芸術の粋を集めて造られたスパニッシュ様式の邸 宅。戦後 米軍に接収された後、東京都に変換されるも、一時は取り壊しも検討されたこの お屋敷。美しい庭園を見つつエントランスをくぐるとゆったり としたラウン ジ、当時の栄華を象徴するようなシガールームが見える。2002年よりスペイ ン人料理長を迎えモダンスパニッシュのレストランとして 生まれ変わった優美 なお屋敷を静々と拝見する。歴史的建造物に指定されながらも、取り壊しの運命となる建物も多い中、 民間の私達も利用できるレストランとして再生させた功績は大きい・・・。 |
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4月23日から紀尾井町の特設会場で開催されている「空へ、海へ、彼方へー旅するルイ・ヴィトン展」を見に行く。会場の脇の2台しかないパーキン グロットが開いていてラッキー! パリ市立モード美術館(ガリエラ宮)館長オリヴィエ・サイヤール氏をキューレーターに迎え、創業者一族のアーカイヴから今日のルイ・ヴィトンを創り上げる人々に至るまで、 1854年から現在まで のルイ・ヴィトンの壮大な軌跡を辿る旅・・・。 |
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19世紀末よりルイ・ヴィトンは日本と強い関係を築いて来た。モノグラム・ キャンパスは日本の「紋」にインスピレーションを受けたものとか。板垣 退助 が渡欧した際に購入したトランクも展示されている。 ロバート・カーセンのデザインによる空間デザインは、旅をテーマとする10章 でなされている。 |
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1978年に日本初のルイ・ヴィトンストアがオープンしたのがこの紀尾井町、 ゆかりの地での大規模な展覧会。ヨットや飛行機、旅に関するアイテム はいつ も壮大なロマンを感じる。人生で一番贅沢な時間の使い方は旅に尽きると思う。 見知らぬ土地で全く違う文化に触れ、見たことの無い景色に遭遇 することこそ 旅のロマンそのもの。また旅に出たくなる・・・。 |
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国立博物館に「古代ギリシャ展ー時空を超えた旅」展の内覧会に伺う。これまで にも数多く催されてきた古代ギリシャをテーマにした展覧会、その中に は 「ローマンコピー」と言われる、古代ローマ時代に作られた古代ギリシャ時代彫 刻のコピー品であることも多かったそう。今回はローマンコピーは一 切なく全 てギリシャ国内からの出品、40箇所以上の国立博物館から厳選した325件で 構成されている。新石器時代からローマ時代まで、7000年 にも及ぶ壮大な 古代ギリシャ文明の歴史をたどれる構成も素晴らしい。ハドリアヌス帝の頭像を 見て昔父と訪ねたティボリのハドリアヌス帝のヴィラを 思い出す。 |
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パナソニック汐留ミュージアムに「ミケランジェロ展 ルネッサンス建築の至 宝」のオープニングに伺う。レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロと並 んで ルネッサンスの3大巨匠とよばれるミケランジェロ、大変に長命で数多くの名作 を残した。システィーナ大聖堂の天井画「創世記」、障壁画「最後 の審判」、 「ダヴィデ像」など誰もが知っているけれど、この展覧会はミケランジェロの芸 術の中でも「建築」に焦点を当てた展覧会。ミケランジェロ の設計図である 「素描やデッサン」、資料や文書が丁寧に展示されている。当時、親方や師匠を 中心として徒弟制度で経営されていた工房では、「デッ サン」は全てのアイ ディアの原型であり貴重な資料であったという。 |
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ミケランジェロは亡くなる前に手元にあった素描類は全部自分で焼き捨てたらし く、現存する600点のデッサンは事前に他人の手に渡るなどして償却 を免れ たもの。彼の子孫たちが何とか集めカーサ・ブオナローティ美術館に所蔵されて いるという。長命だったため生涯を通して12人もの教皇に仕え たミケラン ジェロの残した建築、ローマのカンピドーリオ広場やサン・ピエトロ大聖堂を訪 ねた日を思い出す。灼熱の真昼、どこにも陰が無い壮大な広 場を抜けて巨大なドームへ・・・。 |